■内容
大京グラフのカメラマン・池中玄太(西田敏行)は、ある日弥子(安孫子里香)からカメラマンになりたいと告げられ、ア然となった。娘たちはそれぞれ成長、絵理(杉田かおる)には子供が生まれ、未来(有馬加奈子)には恋人がいるらしい。編集部内でも若手が台頭、八木(近藤真彦)などは近々個展を開くという。まもなく、玄太は、後輩の杉野(井上純一)から未来と結婚したいと告げられビックリ仰天。家でも会社でも、玄太の怒鳴り声は響き渡る。その玄太が、編集長の楠(長門裕之)から、社長に辞表を提出したと明かされた―。
■あらすじ
大京グラフのカメラマン・池中玄太は、最近の自分の回りに起きつつある“変化”に気付き始めていた。楠公さんこと編集長の楠と相変わらずの口喧嘩を続けている玄太だが、編集部内では玄太とは全く違うタイプのクールな若手が台頭していたのだ。その中の八木などは個展を開くまでに成長している。家でも、未来にボーイフレンドができ、弥子はなんとプロのカメラマンになりたいと言い出していた。
だが、無器用な玄太は、その優しい心を隠し、会社でも家でも怒鳴り続ける。
ある日、玄太は、会社の後輩で弟分でもある“半ペラ”こと杉野に未来を嫁に欲しいと切り出されてビックリ仰天。絶対にダメだと繰り返す玄太の様子は、母親になった絵理の時と全く同じだった。
その玄太に楠から衝撃的な話が伝えられた。世代交替を考える楠は、体力の衰えを自覚したこともあり社長に辞表を提出したのだ。楠あっての自分と考える玄太はさっそく一緒に退社しようと辞表を書くが、愛妻・暁子(坂口良子)にたしなめられ我慢せざるをえない。
やがて、八木の個展の日がやってきた。招待状をもらった手前、会場に出向いた玄太は、そこで弥子が八木の説明を聞いているのに気付き慌てて追い出した。カメラマンの厳しさを一番良く知っている玄太は、最初から弥子の志望など認めていなかったのだ。
これを見ていた八木は、玄太に女性問題で注意されたこともあり、思わず“家庭にのめり込んでいるからいい写真が撮れないんだ”と一言。もちろん玄太は怒り、八木を殴った。
玄太は、その夜が暁子との結婚記念日だということも忘れ、八木の恋人で、同じ編集部にいる深沢望の相談に乗っていた。望の話を聞き、一生懸命励ます玄太。愛する女の切ない気持ちを聞くうち、玄太はいつしか未来の結婚を許す気になった。翌日改めて暁子と2人だけの乾杯をした玄太は、自分たちが式を挙げた教会の使用許可証を手渡したのだった。
楠の編集長最後の日、玄太と八木は、無理矢理仲直りをさせられた。楠の前で気のない握手をする2人。そのあと、弥子を連れ撮影に出た玄太は、宿泊先のホテルに掛ってきた暁子の電話を聞き驚愕した。楠が帰宅途中、暴走族に襲われ瀕死の重傷を負ったというのだ。
会社に戻った玄太は、真犯人を捕まえようと八木、杉野らと本当の握手、それぞれが目撃者捜しに街に飛び出した―。
◆出演
西田敏行
◆スタッフ
【原案・脚本】松木ひろし
【音楽】坂田晃一
【演出】石橋冠